=お知らせ=
おはようございます。
とりあえず、コメント返信は終了しました。
遅くなってしまい、本当にすみませんでした;
漆黒のほうは、また後日更新しますので。では。
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お久しぶりです;こんな更新してないブログを見てくださる方は少ないとは思いますが;ただいまテスト期間や、その他もろもろの勝手な個人的な事情により更新が停滞しております。
次土曜日曜のどちらかには更新できると思いますので、もうしばらくお待ちください。
そのときにはあわせてコメントにも返信させていただきます。
めちゃくちゃだらしのない管理人ですみません;
では。
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「あーねーきー」
洗面所から、シャワーを浴び終えた陸が出てきたようだ。肩からタオルをかけてる。
陸は髪の毛からぽたぽたと雫をたらしながら、あたしに声をかけた。
「髪の毛ちゃんと拭いてから出てこいっつーの」
そう小さく呟くと、近づいてくる陸からタオルを奪い取る。
呆気に取られた顔の陸。
たくさん水分を含んでる漆黒の髪の毛にそれをあて、そのままごしごしとこすった。
「床が濡れたら掃除するのあたしなんだから。バカ。いっつも言ってんじゃん」
しばらく、頭をタオルで拭く音だけが響いてた。
こんなこと、日常茶飯事だったし、特に何も考えずにやってた。
床拭くの嫌だし。
違ったのは、陸の態度。
いつもだったら、「あーもー、うぜーなー」とか必ず減らず口を叩くのに。
今日は、何も言わなくて。
ただ、黙ってあたしを見つめるだけで。
―――――――どうして?
大体拭き終わった頃、陸は遠慮がちに声を発した。
「…ゴメン。もういいよ」
「そ?じゃあ、はい」
手にしていたタオルを返す。
それを受け取った陸は、あたしに背を向けると、2階の自室へと向かった。
「メシになったら呼んで」
陸は振り向かずにそう言った。
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陸はどうしてあたしのことが好きなんて言ったんだろう。
あたしたちは、もう普通のキョーダイには戻れないのだろうか。
あたしが不安で気持ちをやきもきさせている間にもどんどん時は過ぎ。
雪がちらつき始めた日に、陸は合宿を終えて帰ってきた。
「ただいまー。姉貴いるー?」
急いで玄関に飛び出していくと、そこには見慣れた弟の姿があった。
いつもと変わらない、あたしの弟。
彼は靴を脱ぐと、疲労のためか、そこにどっしりと座り込む。
あたしも陸の行動に合わせるようにその場にゆっくりと腰をかがめ、できるだけ自然に笑えるよう努力した。
「…おかえり。疲れた?」
「もうマジやばい。すっげー疲れた。シャワー浴びたら即行で寝る」
陸はそう言うと、荷物を置きっぱなしにしたまま風呂場へ直行。
あたしは微かに足がおぼつかない彼の後ろ姿を見送る。
…良かった、全然いつもと変わらない。自然に笑みが零れた。
あたし達は、まだ元に戻れる位置にいる。
あたし達は、まだ大丈夫。
そう確信できた。
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『好き』という言葉が昔から嫌いだった。
そんなうわべだけの言葉にどうしてみんな騙されるんだろうってずっとずっと思ってた。
でも、『好き』の気持ちに気付かされたらそれは誰にも止められない。
そんな事、あたしはまだ知りたくなかったのに。
*
「陸…?熱でもある?」
「…は?」
「いや、だって…」
あたしはどうしても信じられなかった。
陸があたしに対してそんな気持ちを抱いていたなんて。
どちらかといえば嫌われてると思ってたし。
「どうしてそんな事言うの?からかってんの?」
それに、陸はあたしの弟だ。
いくら義理とはいえど、あたしの弟だって事には変わりがない。
訊いても、一向に何も切り出そうとしない陸。
不気味なほど静かな雰囲気が漂いだした頃、電話口の向こうで、陸は軽く嘆息をついた。
「…ゴメン。もう切んなきゃ。そろそろ寝ないといけねーし。おやすみ」
彼はあたしの質問には答えなかった。
それどころか、本当に電話を切ろうとしてるようだ。
あたしは慌ててそれを止めようとする。
「ちょっ…」
「あー、それから、明日からは電話しなくてもいいから。電話代もかかるし。
俺がいない間、しっかり戸締りしてから寝ろよ」
ブツッ。
呆気ない終わり方だった。
本当に切られた。
ディスプレイに残るのは、26分48秒という通話時間のみ。
耳にはツー、ツー、という無情な音が響き渡ってくる。
あたしはパチンとケータイを閉じ、その場で膝を抱え込み顔をうずめた。
「…意味わかんない。人に告っときながら、変なタイミングで切るなっつーの」
きっとアイツはバカだ。
あんだけカッコいいのに、よりにもよってあたしなんかを好きになるなんて。
一番好きになっちゃいけない相手だって事ぐらい、わかってるはずなのに。
「バーカ。いつか東京湾に沈めてやる」
声はあたしの体に邪魔されてその場にこもった。
行き場のない、モヤみたいに。
それはまるで、消化しきれない気持ちが、実体化されたかのように儚かった。
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心臓が止まるかと思った。バクバクという鼓動が自分でもはっきりと感じられる。
確実に脈は速くなってるハズだ。
陸の言葉が胸の奥に突き刺さるようだった。
「…ありがとう」
…これでいいんだよね?
陸には見えないけれど、あたしは微かに微笑む。
素直に嬉しかった。こんなに嬉しいこと、今までになかったってくらい。
あたしは陸にとって、害でしかないとずっとずっと思ってたから。
「オイオイ、勘違いすんなよ」
唐突、だった。
電話口で、陸は苦笑しながらあたしに告げる。
声はやっぱり涙声。
「好きって言うのは家族としてなんかじゃない」
きっぱりと言い切った陸。
思わずケータイを落としそうになる。
家族としてじゃないなら何なの?姉としてって事?
「初めて会ったときから、俺にとって姉貴は姉貴じゃなかった」
姉貴は姉貴じゃない…?
何気なく見つめてた髪の毛の先。
もちろんそこには答えなんてなかった。
あたしは、何も言わずに陸の言葉の続きを待つ。
いくばくかの間を置き、陸はやっと口を開いた。
「…いい加減気付けよバカ」
すねたように、彼は言った。
涙でかすれた声は、未だにそのまま。
まるで、寂しくて寂しくてたまらない小さな子どものよう。
周りの目も気にしない、ワガママな子ども。
ふと見つめた陸のマグカップは、いつもより数十倍彼のことを待ってる気がした。
「誰よりも大切な女の子は、姉貴だけだっつってんの。
わかる?」
…意味だけなら、理解できた。
そんなことを言う陸の真意はわからなかったけど。
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