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2007年2月 7日 (水)

漆黒の瞳の行く先は 【15】

「あーねーきー」

洗面所から、シャワーを浴び終えた陸が出てきたようだ。肩からタオルをかけてる。
陸は髪の毛からぽたぽたと雫をたらしながら、あたしに声をかけた。

「髪の毛ちゃんと拭いてから出てこいっつーの」

そう小さく呟くと、近づいてくる陸からタオルを奪い取る。
呆気に取られた顔の陸。
たくさん水分を含んでる漆黒の髪の毛にそれをあて、そのままごしごしとこすった。

「床が濡れたら掃除するのあたしなんだから。バカ。いっつも言ってんじゃん」

しばらく、頭をタオルで拭く音だけが響いてた。
こんなこと、日常茶飯事だったし、特に何も考えずにやってた。
床拭くの嫌だし。
違ったのは、陸の態度。
いつもだったら、「あーもー、うぜーなー」とか必ず減らず口を叩くのに。

今日は、何も言わなくて。
ただ、黙ってあたしを見つめるだけで。

―――――――どうして?

大体拭き終わった頃、陸は遠慮がちに声を発した。

「…ゴメン。もういいよ」
「そ?じゃあ、はい」

手にしていたタオルを返す。
それを受け取った陸は、あたしに背を向けると、2階の自室へと向かった。

「メシになったら呼んで」

陸は振り向かずにそう言った。

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